地政学リスクとカントリーリスク

地政学リスクの解説シリーズは、今回がひとまず最終回です。

最終回となる今回は、地政学リスクとよく似た扱いになっているカントリーリスクについて解説したいと思います。

ほとんど意味合いは同じなのですが、微妙に意味が違うので、その違いを押えておいてください。
カントリーリスクというのは、投資対象になっている国そのものが抱えているリスクのことです。リスクが高いほど投資対象としては危険で、リスクが低ければ比較的安全に投資できるという意味合いになります。
では、どんな要素があるとカントリーリスクが高くなるのでしょうか。

代表的なものとしては政情不安、社会的な不安、治安の悪さなどが挙げられます。他にもインフレ、外資に対する規制、デフォルト(債務不履行)、内戦、クーデター、革命、テロなどもあります。これだけではありません、その他には自然災害もあるので、いくら政治的に安定している国であっても災害が多いとなるとカントリーリスクが高いことになります。日本は一時期、東日本大震災の影響でカントリーリスクが高いと見なされていました。

こうしたカントリーリスクが高いと、その国の国債金利が上昇します。金利を高くしないと債券を買ってくれる人がいなくなるためです。そのため高金利通貨になり得ますが、その分債券のリスクは高いという構図になります。

FXの代表的な通貨ペアには、あまりカントリーリスクの高い通貨は含まれていません。仮にあったとしても、それは初心者向きではありません。流動性が低いこともあって、相場の乱高下が激しいからです。


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