地政学リスクと外為相場その3 尖閣問題

最近はあまり話題にも上らなくなってきましたが、少し前には日本と中国が沖縄県の尖閣諸島の領有権をめぐってつばぜり合いを繰り広げたことがありました。

その際に中国では反日デモの嵐が吹き荒れ、日系企業の施設などが襲撃、略奪されたりしたのも記憶に新しいところです。

この時によく出てきた言葉が、「チャイナ・リスク」です。経済成長が著しい中国ではありますが、進出した後でこうした事態に巻き込まれる可能性が一定以上あるので、世界中の企業が諸手を挙げて進出するのをためらったのです。

その傾向は、ターゲットになってしまった日本企業にもっとも顕著に見られました。企業の中には中国から撤退や拠点の縮小をしたところもあります。
その後、反日デモは鳴りを潜めて今はそういったリスクを感じることは少なくなりましたが、チャイナ・リスク自体が後退したわけではありません。
人件費の高騰や労使間紛争、官吏の汚職、PM2.5など、中国に進出することでリスクとなりやすいことは他にもたくさんあります。

この中でも深刻なのが労使間紛争と汚職でしょう。いずれも健全な企業活動を妨げる可能性が多々あるのですから、企業が二の足を踏むのも理解できます。
尖閣問題が起きた際には、外為相場に大きな影響が出ました。中国の人民元は国際通貨ではないので直接の影響は出ませんでしたが、日本円は地政学リスクの高まりによって株安となり、それに連動する形で円高が起きました。

この問題は根本的に解決されたわけではないので、今後も何らかのトラブルが起きた際には外為相場も影響を受けることになるでしょう。



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